平成30年1月24日(水)に厚生労働省より、『個別改定項目について』が提示されました。
この発表により、基準等の大まかな内容が明らかになります。(点数はまだ発表されていません。)
各項目について
Ⅰ 地域包括ケアシステムの構築と医療機能の分化・強化、連携の推進
Ⅰ-1 地域包括ケアシステム構築のための取組の強化
Ⅰ-2 かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師・薬局の機能の評価
Ⅰ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価
Ⅰ-4 外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進
Ⅰ-5 質の高い在宅医療・訪問看護の確保
Ⅰ-6 国民の希望に応じた看取りの推進
Ⅰ-7 リハビリテーションにおける医療と介護の連携の推進
Ⅱ 新しいニーズにも対応でき、安心・安全で納得できる質の高い医療の実現・充実
Ⅱ-1 重点的な対応が求められる医療分野の充実
Ⅱ-1-1 緩和ケアを含む質の高いがん医療の評価
Ⅱ-1-2 認知症の者に対する適切な医療の評価
Ⅱ-1-3 地域移行・地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価
Ⅱ-1-4 難病患者に対する適切な医療の評価
Ⅱ-1-5 小児医療、周産期医療、救急医療の充実
Ⅱ-1-6 感染症対策や薬剤耐性対策、医療安全対策の推進
Ⅱ-1-7 口腔疾患の重症化予防、口腔機能低下への対応、生活の質に配慮した歯科医療の推進
Ⅱ-1-8 薬剤師・薬局による対人業務の評価
Ⅱ-2 医薬品、医療機器、検査等におけるイノベーションやICT等の将来の医療を担う新たな技術を含む先進的な医療技術の適切な評価と着実な導入
Ⅱ-3 データの収集・利活用及びアウトカムに着目した評価の推進
Ⅱ-4 明細書無料発行の推進
Ⅲ 医療従事者の負担軽減、働き方改革の推進
Ⅲ-1 チーム医療等の推進(業務の共同化、移管等)等の勤務環境の改善
Ⅲ-2 業務の効率化・合理化
Ⅲ-3 ICT等の将来の医療を担う新たな技術の着実な導入
Ⅲ-4 地域包括ケアシステム構築のための多職種連携による取組の強化
Ⅲ-5 外来医療の機能分化
Ⅳ 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の強化
Ⅳ-1 薬価制度の抜本改革の推進
Ⅳ-2 後発医薬品の使用促進
Ⅳ-3 医療機能や患者の状態に応じた入院医療の評価(再掲)
Ⅳ-4 外来医療の機能分化、重症化予防の取組の推進(再掲)
Ⅳ-6 医薬品の適正使用の推進
Ⅳ-7 備蓄の効率性や損益状況等に応じた薬局の評価の推進
Ⅳ-8 医薬品、医療機器、検査等の適正な評価
(※厚生労働省 個別改定項目について 資料より)
入院医療の新たな評価体系
①7対1・10対1 一般病棟入院基本料を再編・統合 ⇒ 急性期一般入院基本料
②13対1・15対1 一般病棟入院基本料を再編・統合 ⇒ 地域一般入院基本料
③20対1・25対1 療養病棟入院基本料 ⇒ 20対1療養病棟入院基本料に一本化
(25対1療養病棟入院基本料は次回改定時に改めて検討することにし、経過措置期間をまずは2年とする。)
④地域包括ケア病棟入院料 ⇒ 在宅医療や介護サービスの提供等の地域で求められる多様な役割・機能を有している場合について評価を見直す
したがって、今回の改定で下記のように入院料が明確になりそうです。
◆急性期一般入院基本料(現 7対1・10対1)
◆地域一般入院基本料(現 13対1・15対1)
◆回復期リハビリテーション病棟入院料
◆地域包括ケア病棟入院料
◆療養病棟入院基本料(現 20対1・25対1)
この中で私が1番印象的だった内容が「地域包括ケア病棟入院料」です。
過去の議論の中で、在宅からの受入実績を評価するという内容が出てきていました。地域包括ケア病棟を持つ病院には、サブアキュート(在宅等からの急性増悪患者を受け入れる〉の役割をしっかり担っていたところもあると思います。地域包括ケア病棟のひとつの役割ですし。
実際この改定項目の中にその内容も書かれています。
しかし、この実績を評価する内容に驚かされました・・・。
施設基準のひとつに『許可病床数が200床未満の保険医療機関であること』という基準が設けられているのです。
またここで、許可病床数の縛りが出てきました。
これには、わたしもショックを受けました・・・。
早めの情報収集を!
入院医療についてのみ、ピックアップさせていただきましたが、他にもたくさんの内容がありますので、みなさんもぜひ早めの情報収集をしていただきたいと思います。
わたしも心がけていますが、やはり早めの情報収集を行うことが大事です。
新たな施設基準等にいち早く対応しなければなりませんし、新たな加算等に対応するためにも必要だと思っています。
これからは地域包括ケアシステム構築にどんどん力を入れてくると考えられますし、医療・介護のつながりが非常に濃くなってくると考えています。
地域に必要とされる病院を目指して、みなさんと協力して病院運営を行いたいと考えます。
※個別改定項目については、厚労省ホームページに掲載されています。⇒厚生労働省 中央社会保険医療協議会 総会(第387回)